テレワークについて

2020年12月07日 | コラム

テレワークとは

テレワークとは、情報通信技術を活用した、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことで、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つに分けられます。

在宅勤務:自宅で業務を行う雇用契約を前提とした働き方モバイルワーク:顧客先や移動中、カフェなど、臨機応変に選択した場所で業務を行う働き方
サテライトオフィス勤務:メインのオフィス以外のサテライトオフィスや社外のワーキングスペースを利用した働き方

テレワークのメリット

企業側

①感染症対策や緊急災害時に事業継続可能になる

感染症対策の観点ではオフィスでの3密を防ぐことができ、従業員の通勤時の感染リスクを削減することができます。災害等で出勤が難しくなった場合もテレワーク導入済みであれば、事業を継続することができます。

②固定費や経費の削減

従業員に支給していた交通費等の経費削減やオフィスの設備、光熱費等の節約が可能となります。

③生産性、業務効率アップ

通勤が不要となることで従業員の時間的なロスを減少させて業務効率向上が期待できるうえ、ワークライフバランスの改善によって従業員にとってリフレッシュ効果が上がり、ひいては生産性が上がる可能性があります。

従業員側

①移動時間(通勤時間)の節約

オフィスへの出勤時間を削減し、可処分時間を増やすことができます。

②育児・介護しながらの勤務

自宅での勤務が可能となるため、フレックスタイム制などの制度を有効活用することで、育児や介護と業務の両立が可能となります。

③住居の幅が広がる

オフィスへのアクセスの重要度が低くなり、自身が住みやすいエリアに住むことができます。

④ワークライフバランスの向上

可処分時間が増えることで、プライベートの時間をより有効活用できるようになります。

テレワーク導入後に生じる課題

 企業および従業員の双方に様々なメリットのあるテレワークですが、従業員の労働時間を適切に把握することが難しくなります。仕事と私生活の区別が曖昧となる結果、長時間労働・深夜労働やそれらに起因する健康被害という法的問題が発生するリスクがあります。テレワークの導入に際しては、適切な勤怠管理システムの導入を前提とした、適切な勤怠管理が不可欠です。
 また、会議やタスク管理、コミュニケーション等も難しくなり、組織の一体感が低下する恐れもあります。そのため、テレワークに適応したコミュニケーションの方法を確立する必要があります。
 テレワークを進める上ではメリットのみならずリスクを把握し、そのリスクに対処していく必要があります。
 特に、労働時間の管理、従業員の健康管理については法律違反にならないよう労働法の専門家(弁護士や社労士等)に確認しながら、慎重に進めるべきです。

テレワークの労働法等遵守のポイント

テレワークを進める上で留意すべきポイントを3つ抜粋いたします。

①労働条件の明示

 企業は、労働契約を締結する際、従業員に対し、賃金や労働時間のほかに、就業の場所に関する事項等を明示しなければなりません。
 テレワークにおいて就業場所を特定する場合には、自宅やサテライトオフィス等、テレワークを行うことが可能である就業場所を明示するべきで、企業として思わぬ場所で労働していたと主張されるという事態を招かないことに留意するべきです。

②通信費・情報通信機器等の費用負担

 テレワークを行う従業員が、テレワークを行うことによって生じる費用を負担することが考えられるため、あらかじめ労使で十分に話し合い、従業員に対して費用負担をさせる場合には就業規則において規定を置く必要があります。
 当該費用には、情報通信機器等の費用負担、サテライトオフィスの利用に要する費用などの負担が考えられます。労使のどちらが負担するか、会社が負担する場合の要件・負担額はいくらか、従業員が会社に請求する場合の請求方法等を決めておきましょう。

③労働時間の把握

 テレワーク中は、私生活との区別が曖昧になりがちなので、労働時間なのか日常生活時間なのか把握しがたい部分があります。
 テレワークを行う場合についても、一定の例外的場合(事業外みなし等)を除き、企業は従業員の労働時間について適正に把握する義務を負ってています。
 労働時間の管理にあたっては、中抜け時間の管理、時間外労働の管理、常時監視の可否等、難しいポイントが多くあるので、テレワーク導入時は労働法に詳しい法律家に相談することをお勧めいたします。

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 テレワーク導入を検討中、もしくは現在テレワーク導入済みだが法令遵守に不安がある企業様は、まずは当事務所にお問い合わせください。